マンガの原稿用紙には、あらかじめ謎の枠線などが印刷されていて、完全に初見殺しです。
「何だ…この線は…」
「どこにどう描けばいいの…」
枠線は簡単に言えばマンガを描いていいエリアの目印で、僕たちがマンガを描くのをサポートしてくれます。
薄い青色で印刷されていて、製本の印刷時には出てこないようになっています。
今回はそんなマンガ原稿用紙の使い方を紹介します!
アナログでもデジタルでも原稿用紙の使い方は同じです。
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まだ原稿用紙を購入していない方は、別記事で原稿用紙の選び方を紹介しています。
デジタルの場合はクリスタの原稿用紙設定の記事も用意しています。
最重要!3つの枠線の使い方
マンガ用原稿用紙には、大きく3つの枠線があります。
それでは、それぞれ詳しい説明に入っていきます。
トンボ:印刷業界のマストアイテム
トンボとは印刷所が紙を裁断するときに目印とするものです。
僕たちはA4サイズで何かを印刷したいとき、A4の原本を用意し、それをA4の用紙に印刷しますよね。
ただ印刷業界はそうではないらしく、原稿を印刷したあと、トンボを基準に紙を裁断するそうです。
僕たちには直接関わりのないトンボですが、印刷屋さんには必要なものなので消さないようにしましょう。
内枠(基準枠):マンガを描くメインのエリア!
内枠は、3つの枠のうち一番小さな枠で、基本的に内枠を基準にコマを割っていき、このエリアの中に絵やセリフを描いていきます。
ただ必ずしもコマをこのエリア内におさめる必要はありません。
本来ダイナミックに魅せる際に、内枠エリアから時折絵が飛び出すようになっていたのですが、もはやはみ出しているのが標準と言えるほど、ほとんどのマンガがこのエリアからはみ出しまくっています。
ただ極力吹き出しはこのエリア内におさめるようにしましょう。
詳しくは後述しますが、セリフをあまりに端っこに持っていってしまうと、セリフが切れてしまう可能性があります。
ちなみに内枠のサイズは、
B4(投稿用)サイズの場合、270mm×180mm(ほぼB5サイズ)
A4(同人誌用)サイズの場合、220mm×150mm(ほぼA5サイズ)
となっています。
タチキリ線(仕上がり線):このエリア内が本になる!
タチキリ線とは、印刷後に裁断される部分で、このタチキリ線と次に紹介する外枠は、トンボを目印に作られています。
つまり、タチキリ線より内側(青いエリア)が本になり、読者に読んでもらえる部分となります。
仕上がり線のサイズは
B4サイズの場合、310mm×220mm(ほぼA4サイズ)
A4サイズの場合、257mm×182mm(B5サイズ)
となっています。
逆にタチキリ線より外側は、切り捨てられる部分です。
ということは、マンガはこのタチキリ線内におさめて描くのかというと、答えはNO
マンガは「外枠」まで描きます。
なぜ切り捨てられる部分にまで、マンガを描かなければいけないのでしょうか?
外枠(塗り足し枠):完成品のクオリティ低下を防ぐ!
タチキリ枠と外枠の隙間(緑色の幅)はだいたい7mm前後あります。
このエリアにはどんな意味があるのでしょうか
印刷屋さんは印刷のプロですが、実は寸分の狂いもなく綺麗に印刷するのは難しく、印刷によるズレや裁断によるズレが多少なりとも発生することがあります。
つまりほんの少し大きめに描いておくことで、そのズレを回避するということです。
マンガを描いくのはNGのエリア「ノド」について
ノドとは、マンガを見開いたときに、ページの綴じられている中心のエリアのことを言います。
つまり、左ページの右端、右ページの左端がノドになります。
このエリアは絵やセリフが見えない、もしくは見づらくなっているため、何も描かないのが基本です。
マンガはほとんどの場合、左ページから始まります。
1ページ目が左になるので、2ページ目は右、3ページ目は左。
つまり奇数ページは左、偶数ページは右というわけです。
- ノドは左ページの右端、右ページの左端
- ノドのエリアには何も描かない
- マンガの奇数ページは左ページ、偶数ページは右ページ
この3つをまとめると、
「奇数ページの右端と、偶数ページの左端には何も描かない」
となります。
ただしノドのエリアにも絵を描く場合があります、何かおわかりでしょうか?
大正解!
2ページまるごと使う見開きのコマを描く場合、ノドにも描かざるを得ません。
この場合、ノドのエリアに人物の顔や重要なもの、セリフなどは入らないように描きます。
つまり被害を最小限に抑えられる構成にします。
枠線以外の目印とその使い方
以上3つの枠線とノドが、マンガ原稿用紙での最重要ポイントでした。
ただそれ以外にも「ん?なにこれ?」なものがあります。
ノンブルエリア
中枠上下の外側に左、中心、右と3箇所、計6ヶ所ある謎の小さな長方形
これはノンブルエリアと言い、ページ数を描くエリアです。
6ヶ所あるのは、任意の位置にページ番号を書けるようにしているためです。
が、基本何も書きません。
ノンブルは編集部が入力してくれるので、僕たちは完全に無視してOKです。
ただ同人誌を描いていてご自身で印刷所へ製本を注文する場合、製本所によってはノンブルへのページ番号記入が必須の場合があります。
コマ割り目印
外枠のメモリにいくつかある謎の記号です。
画像では白い三角形と青い三角形ですが、メーカーによっては丸だったり、さまざまです。
これは、コマを3段や4段に均等割するときの目印です。
まとめ
以上、マンガ原稿用紙の使い方でした。
一度体が覚えてしまえばなんてことはないのですが、慣れないうちはミスが起こりやすいです。
中でも、ノドにガッツリ絵を描き込んでしまうなんてのは初心者あるある!
初めて自分のマンガが製本化されるときのワクワクと、いざ単行本化したときの嬉しさ、僕は未だに忘れられません。
あなたもぜひ、このワクワクを味わって下さい!