「よし、マンガを描こう!…でも一体何から始めたらいいの?」
「漫画家ってどうやってマンガを描いてるんだろ?」
今回はそんな方へ向けて、あなたはどのうような手順でマンガを描いていくべきなのか、また実際の漫画家はどうしているのを紹介していきます。
先に結論を言うと、7つの手順でマンガは完成し、読者の元へ届けられます。
- テーマを決める
- プロットを考える
- キャラクター設定を考える
- シナリオを作る
- ネームを描く
- 原稿を描く
- 原稿を適切なフォーマットに変換する
※1〜4は個人差が大きく、端折られたり順番が違ったりします
この手順は紙でもデジタルでも同じです。
実際に僕もこの手順で描いていますし、多くの漫画家さんもこの手順で描いています。
① マンガの軸となるテーマ(コンセプト)を決める
マンガを描く前に、ストーリーを作る前に、まずはテーマを1つ考えます。
テーマとは、これから描くマンガの軸となるもので、コンセプトや方向性と捉えてもらってもいいです。
もし描きたいものが思い浮かばない人のために、ヒントも用意しておきますね。
- 好きなもの
- 憧れているもの
- 日々妄想していること
- 伝えたいこと
もしそれでもテーマが思い浮かばない人のために、当ウェブサイトではクリック1回でランダムにテーマが生成される「テーマメーカー」を用意しています。
個人の考えにもよりますが、僕はあまり深く真剣に考えなくていいと思っています。
あなたが「描きたい!」と思う気持ちを優先しましょう。
描きたいものがいくつもあっても、基本的に軸は1つです。
プロの漫画家が描く「バトル × 恋愛 × 裏切り」的なマンガがあったとしても、一見3つの軸があってごちゃごちゃしているように見えますが、実は根本の部分では1つの軸に沿って描かれているはずです。
② 大まかななあらすじとなるプロットを考える
テーマができたら、テーマを軸にプロットを考えていきます。
※ プロット:シナリオの骨格となる大まかなストーリーのこと
プロットの書き方には、個人差があります。
「マンガ プロット」とGoogleで画像検索をしてみても、さまざまなフォーマットのプロットがでてきます。
一番大事なのは「あなたがまとめやすく、あとから見返しやすいこと」です。
かといっていきなり自由にプロットを書き出すのも難しいと思うので、よくあるプロットの作成方法をいくつか紹介します。
- 物語を起承転結でまとめる
- 出来事を時系列でまとめる
- 相関図などの図を使ってまとめる
- アニメのプロットのように絵コンテでまとめる
- 5W1Hでまとめる
※ 5W1H:だれが、どこで、いつ、なにを、なぜ、どのようにしたのか
文章でも箇条書きでも、手書きでもスマホでも、どちらでも構いません。
僕のオススメとしては、どんな形でもいいのですが、まずはひたすら思いつく限り書きなぐって、後からそれを整理していく方法が作りやすいです。
プロットはあくまでシナリオを書いていくための前段階なので、細かく書く必要はありません。
ただし、細かいところまで思いついているなら、それはぜひともメモしておきましょう。
③ キャラクター設定を考える
物語の本筋ができたら、主要な登場人物キャラクターの設定資料を作っていきましょう!
思うがまま自由にキャラクターを作り込んでいきましょう。
思いつく限り細かい情報を詰め込んでいくと、キャラクターとしてより深みが生まれます。
キャラクター設定用にいくつか項目を用意しておきますのでご利用ください。
※全てを埋める必要はもちろんありません
- 基本情報
名前、年齢、職業、過去の経歴など - 内面
性格、好き嫌い、癖、趣味、特技、弱点、一人称、口癖、喋り方など - 外見
顔面、色、身長、体格、服装、所持品、ポーズなど - その他
目標や夢、キャッチコピーなど
キャラクターを考えるのが苦手な方は、当ウェブサイトの「オリキャラメーカー」をぜひご利用ください。
あなただけのオリジナルキャラクターがクリック1つで誕生します。
また近未来や異世界など、舞台が特殊な場合は、舞台設定資料も作る必要があります。
「テーマ→プロット→キャラクター」の順番は必ずしも守る必要はない
ここまで3つのフェーズを以下の手順で進めてきました。
- テーマを決める
- プロットを考える
- キャラクター設定を考える
しかし、必ずしもこの手順を100%守る必要はありません。
あなたが思いついた順番でも大丈夫です。
④ 物語のシナリオを作る
ここまで固まったらシナリオ作り!
プロットに肉付けをして、より具体的なストーリーを作っていきましょう!
プロットの段階では大まかなあらすじでしたが、物語で起こる出来事を、セリフ込みで事細かに書いていきます。
こちらも定められたフォーマットはないので、自分であとからこのシナリオを見ながらマンガを描いていくので、見返しやすく書きましょう。
またマンガを描き慣れていない最初のうちは配分がわからないかもしれませんが、この時点でマンガのページ配分も考えていきます。
僕が今連載している「史上最最強の魔法剣士、Fランク冒険者に転生する」は、ラノベのコミカライズ作品なので、このフェーズも関係ないように見えるかもしれませんが、実はこの工程から入っています。
というのも、小説仕様の文章をマンガにそのまま移植すると、どうしてもテンポが悪かったり、地味な絵柄が続いたり、マンガにとってはあまり好ましくない場合があるからです。
マンガとして楽しんでもらうため、シーンをカットしたり、逆に追加したりと、本筋に影響を与えない程度のシナリオを多少書き換えているんです!
⑤ 原稿の下書きとなるネームを描いていく
ネームとは、マンガの設計図であり、原稿の下書きです。
漫画家としての腕が最も試される部分ですね!
- コマ割り
- キャラクター配置・アングル
- 吹き出し
- 描き文字
- 効果線
- 背景
上記の例はほんの一部ですが、マンガとしてどのような構成にするかを考えながら、かなり雑にマンガを描いていきます。
ネームの目的はマンガとしての構成を考えることなので、丁寧に描きすぎる必要はなく、キャラクターなんかも判別できる程度でOKです!
基本的に漫画家は、ネームを担当者に確認してもらって、OKが出たら原稿に入ります
ネームを紙に描くか、デジタルで描くか、これは完全に好みです。
クリスタ(クリップスタジオペイント)とは、プロも愛用する人気No.1のイラスト・マンガ制作ソフトです。
→ イラストソフトはクリスタが一択な5つの理由
→【CPIP STUDIO PAINT 公式サイト】
⑥ いざ本番!原稿を描いていく!
このフェーズでついにマンガとしてほぼ完成!
原稿は現在デジタルが主流ですが、もちろん紙でもOK
ひとくくりに原稿の制作とはいえ、原稿を描く中でもいくつかの工程に分かれています。
- 下書き
- ペン入れ
- ベタ塗り
- トーン貼り
- 文字入れ
- 仕上げ
原稿制作手順の詳細については、今後別記事で紹介したいと思います。
原稿が完成したら、あとはどのような作業が残っているのでしょうか?
⑦ 原稿を適切なフォーマットに変換する
小難しい見出しになってしまいました。
ここからの作業は、完成したマンガをどうするのかによって変わってきます。
フォーマットは本当に様々なので、いくつか簡単な例を挙げます。
- 編集部へ持ち込みするためにデジタルの原稿を紙に印刷
- 賞へ応募するためにzip形式にしてアップロード
- SNSで発信するためjpg形式でアップロード
- 印刷会社に製本してもらうためにpdf形式で入稿
ここでは単純にファイル形式しか描きませんでしたが、解像度の指定やファイルサイズの指定など、細かい指定もたくさんあります。
マンガをお渡しする先の指示をしっかり読み、適切なフォーマットに変換してから提出する必要があります。
まずは通しで作品を完成までもっていこう!
以上が0からマンガが完成するまでの制作7手順でした!
あらためておさらいしておきましょう。
- テーマを決める
- プロットを考える
- キャラクター設定を考える
- シナリオを作る
- ネームを描く
- 原稿を描く
- 原稿を適切なフォーマットに変換する
この手順でマンガを制作していけば、必ずマンガは完成します。
一度、ものすごくシンプルで短いマンガを、軽い気持ちで制作してみることをおすすめします。
というのも、マンガ制作の流れを体験しておくこともとても大事なことだからです。
実際のところ僕たち漫画家は、いちいちこんな手順を気にしていません。
というのも、気にせずともこの手順が体に染み付いているので、何も考えずとも、自動的にこの手順に則ってマンガを制作する体ができあがっています。
まずはクオリティ度外視で、マンガ制作にチャレンジしてみてはどうでしょうか?