イラスト制作のパース入門として、透視図法についての基本から「一点透視図法」「二点透視図法」「三点透視図法」の違いや、その使い方について紹介します。
背景イラストや建物などを描くとき「透視図法」という絵画技法を使ってイラストを制作します。
透視図法とは、補助線を使って奥行きや立体を正確に描写するテクニックです。

透視図法と言っても、描きたい構図によって3つの透視図法を使い分けます。
- 一点透視図法
- 二点透視図法
- 三点透視図法
これらの違いはとってもシンプルで、○点は消失点の数を表しています。
つまり一点透視図法は消失点が1つ、二点透視図法は2つ、三点透視図法なら3つということです。
※ 消失点:奥行きが収束する点


使い分けについて、結論から言います。
- 一点透視図法
立体や奥行きを真正面から描く時(奥行きの消失点) - 二点透視図法
立体や奥行きを正面から横にズレて描く時(奥行きと幅の消失点) - 三点透視図法
立体や奥行きを、俯瞰やあおりで描く時(奥行きと幅と高さの消失点)
文字だけでは少しむずかしいと思うので、実際に画像を見ながら見ていきましょう!


現役の漫画家です!
「史上最強の魔法剣士、Fランク冒険者に転生する(原作:柑橘ゆすら)」のコミカライズを担当していて累計発行部数155万部突破しました!現在も連載中です。
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透視図法とは?透視図法の基本
透視図法とは、補助線を使って奥行きや立体を正確に描写するテクニックです。
透視図法を使うためには、2つの用語を知っておく必要があります。
- 消失点
平行線が収束する最奥部の点 - アイレベル
カメラ(目線)の高さ
消失点とアイレベル
消失点とは、平行な空間や物体の延長線が交わる点のことを指します。
アイレベルは、イラストを写真に例えると、カメラの高さの位置のことを言います。


そして消失点とアイレベルには、いくつかのルールが存在します。
- アイレベルの高さは常に一定
- 消失点はアイレベル上にある
- アイレベル ≒ 水平線(地平線)
詳しくは下の記事で紹介しているので、ぜひ読んでください。
消失点とアイレベルの知識はイラスト制作ではマストです!


この2つを理解すれば、透視図法はすんなりと入っていきます。



一点透視図法:正面からの奥行きを描く
一点透視図法は最もシンプルな透視図法で、先ほど使った写真も一点透視です。


全ての平行線が1ヶ所に収束し、主に正面から見た道や廊下はもちろんのこと、部屋を描くときにも使います。


二点透視図法は消失点が2つになります。
どのような状態になると、消失点が2つになるのでしょうか?
二点透視図法:一点透視図法に左右の傾きが加わる
一点透視図法が正面からでしたが、描くものが正面からじゃないとき、二点透視図法になります。





二点透視図法は、主に建物などの立体や、室内空間を描写するときに使います。


床も壁も天井も関係なく、平行な線は全て収束します。
またもちろん2つの消失点は必ずアイレベル上にあります。
三点透視図法:二点透視図法に上下の傾きが加わる
じつは一点透視図法と二点透視図法は、カメラ(目線)は地面に対して水平になっていました。
このカメラで見上げたり見下ろしたり、カメラ傾けることで、高さの消失点が新しく加わり、三点透視図法になります。





新しく加わる高さの消失点は、アイレベル上にくることはありません。
- 見上げたアングル(=あおり)の場合、消失点はアイレベルより上に行く
- 見下ろしたアングル(=俯瞰)の場合、消失点はアイレベルより下に行く
上の写真は、ビルを見上げている、いわゆる「あおり」なので、アイレベルよりはるかに上に消失点があります。
三点透視図法は、主に建物のデカさを表現するときや、街全体の風景を描写するときなどに使います。
下の画像は「史上最最強の魔法剣士、Fランク冒険者に転生する」81話の1コマです。


これは街を見下ろす「俯瞰」なので、消失点は下へ収束していきます。





「いや原稿用紙ちっちゃ!消失点遠すぎない!?」
と思う人もいると思います。
構造とかアングルによるんですけど、たぶん思ってるより消失点って遠いんですよね。



実践!透視図法
一点だろうと二点だろうと三点だろうと、消失点を使って「正しい構図」にして、イラスト全体の「違和感をなくす」ことが目的です。
また透視図法を正しく使うことで、いろんな構図にチャレンジすることができます。
まずはイラスト全体の構成を考えてからラフ画を描く
僕はまず消失点やアイレベルより先に、まずは構成を考えてからざっくりラフ画を描きます。
※ 個人によりやり方は違います
というのも、まずは「何を魅せたいか」をハッキリとさせ、それがブレない構成であることが何より大切だからです。



正しい構図はもちろん大切なことですが、そこに囚われすぎて魅せたいものがブレてしまったら本末転倒です。
まずはざっくりとラフを描いてから、それにあわせてアイレベルや消失点を設置します。
パースを軽視してはいけないが、縛られすぎる必要もない


アイレベルや消失点を無視するとハッキリと違和感が発生し、イラストやマンガそのものに集中できなくなってしまいます。
が、そこまで完璧なパースに縛られすぎる必要もありません。
というのも、よりよく魅せようとした結果として、パースがずれたり、あえてずらしたりすこともあるからです。



透視図法の基本とそれぞれの違いのまとめ
透視図法とは、補助線を使って奥行きや立体を正確に描写するテクニックです。
描きたい構図によって3つの透視図法を使い分けます。
- 一点透視図法
立体や奥行きを真正面から描く時(奥行きの消失点) - 二点透視図法
立体や奥行きを正面から横にズレて描く時(奥行きと幅の消失点) - 三点透視図法
立体や奥行きを、俯瞰やあおりで描く時(奥行きと幅と高さの消失点)
透視図法を使うためには、アイレベルと消失点について知っておく必要があります。


透視図法を使う場合、まずはラフ画を描いてから、それにあわせてアイレベルや消失点を設置していきます。
※ 個人によりやり方は違います
透視図法は立ち絵から卒業し、背景や複雑な構造を描いていくためには欠かせない技法です。



それでは、楽しいお絵描きライフを!