漫画家は、マンガを通して誰かをワクワクさせたり、ジーンとさせたり、多かれ少なかれ誰かに影響を与えるとても魅力的なお仕事です。
先に厳しいことを言いますが、漫画家になるのは難しく狭き門です。
あなたが自分で思い描くような、華やかな漫画家になれるとは断言できません。
本気で漫画家を目指せば、食いっぱぐれることはほとんどありません。
普通にマンガで生活していくことはできます。
心置きなく漫画家を目指しましょう!
漫画家になる3つの方法
漫画家になるには、主にこの3つの方法です。
- マンガ賞に応募する
- 出版社に持ち込む
- SNSなどWEBで発信する
上の2つ、マンガ賞の応募と出版社への持ち込みは昔からある王道のルートです。
どの方法がいいかというと、可能なら全てに手を出すことです。
どれかに絞るべきではありません。
これについては後述します。
ちなみに僕は「第1回ジャンプPAINT画力マンガ賞」で奨励賞を頂き、担当がつくようになりました。
※この賞は現在開催されていません
① マンガ賞に読切マンガを応募する
マンガ雑誌を読んでいると定期的に出てくる、マンガ賞へ応募をして漫画家になる方法です。
年間どれだけの賞が開催されているかご存知でしょうか?
きっと、想像している以上に賞の種類は多いです。
漫画賞の一覧は「マンナビ」がまとめてくれています。
どの賞に応募するかは、ある程度吟味する必要があります。
というのも、応募作品は未発表作品や未応募作品であることが条件の場合がほとんどだからです。
狙うべき賞は、入選すると連載権を得られるものです。
僕が「第1回ジャンプPAINT画力マンガ賞」で奨励賞を頂いたときは、ジャンプ+で読切作品「デッドマンズ・コントラクト」を掲載してもらえました。
ただマンガ賞の応募にもデメリットはあります。
これは賞という形式上、仕方ないところでもあります。
アドバイスという観点からは、出版社への持ち込みがベターです。
② 出版社に読切マンガを持ち込む
自分で描いた渾身の読切マンガを片手に、出版社に乗り込み漫画家になる方法です。
こちらも持ち込み先出版社や問い合わせ方法を「マンナビ」がまとめてくれています。
持ち込んだ出版社にあなたの才能や将来性を認めてもらえると、担当者がつきます。
- 漫画を連載させてもらえる
- コミカライズの案件をもらえる
- アシスタント先を紹介してもらえる
など、漫画家へのルート開拓をサポートしてもらえます。
※いきなり漫画家として即デビューなんてことはほとんどありません
僕は賞を頂いたことで正式に担当がついたのですが、それまで何度も出版社へは足を運んでいます。
認めてもらえなかった場合、グサっとくる言葉をもらうこともあります。
ただそれはプロの目からみた的確なアドバイスです。
僕的にはメリットしかないです
ただ本社が東京だったりするので、地方の人には少しハードルが高いかもしれません。
しかしZOOMなどを用いたWEBでの持ち込みにも対応している出版社もあります。
また出張マンガ編集部と呼ばれる、地方でのマンガ持ち込みイベントも定期的に開催されています。
③ SNSなどWEBで勝手にマンガを発信する
ブログやSNSでマンガをアップして、出版社から声をかけてもらう比較的新しいパターンです。
とにかく手軽かつ自由度の高い最強の方法です。
- 好きなときに自由に投稿できる
- ジャンルや内容にほぼ制約がない
- マンガとしての細かい決まりごともない
- 読み切りではなく連載も勝手にできる
- 不特定多数に見てもらえる
こんな最強な方法ですが、もちろんメリットだけではありません。
というか、WEBから漫画家を目指すのは無謀です。
そもそも、出版社は日々SNSに張り付いて漫画家の原石を探しているわけではないからです。
バズって初めて、出版社の目に留まります。
留まったからといって、必ず声がかかるわけでもありません。
どれかに絞らず、全てに手を出す
漫画家になるための3つの方法を紹介しましたが、3つのうちのどれかに専念するのではなく、理想は全てに手を出すことです。
というのも実際のところ、漫画家になれるかどうかは、運要素もかなり強いです。
なので試行回数を増やせば増やすほど、漫画家になれる確率はあがります。
1%を1回すれば1%ですが、100回すれば63.6%の確率になります。
ただ手を抜いてまで回数をこなせばいいというわけでもありません。
なぜなら周りは本気だからです。
手を抜けば、確実に本気の人に負けます。
どれかを削るとしたら、SNSの発信です。
以上が漫画家になる3つの方法でした。
ではこの3つを実行していくためには、何をしなければいけないのでしょうか?
次の章では、漫画家になるための準備について説明します。
漫画家になる手順は、魅力的なマンガを描けるようになること
賞への応募も、出版社への持ち込みも、WEBでの発信も、必要なものはマンガです。
ということで、漫画家になるにはマンガが描けることが大前提。
漫画家に必要なものは、魅力的なマンガを描くスキルだけです。
漫画家は試験も資格も不要。
年齢制限もありません。
魅力的なマンガを描くことさえできれば、数ヶ月後にはあなたも漫画家の仲間入り。
ではどうすれば魅力的なマンガを描くことができるようになるのでしょうか?
マンガの基礎を学ぶ
まずはマンガの基礎を学ぶ必要があります。
残念ながら、絵が上手なだけではマンガは描けません。
- 興味を持たせるストーリーの考案
- 人の目線を考慮したコマ割り
- わくわくが止まらないページ構成
- 効果線や描き文字などマンガ特有の表現
ほんの一部ですが、このようなマンガならではの技術も必要になってきます。
これらは雰囲気や見様見真似でなんとかなるものではなく、学ぶことが必要です。
「マンガの基礎技術なんてどうやって学ぶの?」
これには、大きく2通りあります。
- 独学する
- 専門学校に通う
独学する
書籍やブログ、YouTubeなどで、マンガの技法を独学する方法です。
誰でもタダで手軽に始められる、最強の学習方法です。
ただメリットばかりではありません。
- 情報があふれ過ぎて取捨選択が難しい
- 疑問点があっても質問がしにくい
- 信頼性が低い
WEBは誰もがある程度自由に何でも発信することができるので、多少信頼性に欠ける部分があります。
情報もあふれかえっているので、どれが正しいのかを判断するのも難しいです。
また質問する環境もなかなか用意されていません。
サロンやDMで質問することはできるかもしれませんが、少しハードルは高いです。
学習にせよ質問にせよ仲間づくりにせよ、何をするにせよ積極的行動が必要なのが独学です。
マンガの専門学校に通う
僕自身専門学校出身で、可能であれば僕は圧倒的にこちらを推奨します。
どうしてもお金はかかってしまうのですが、それに見合うものが得られます。
- プロから直々に教えてもらえる
- 質問し放題
- 出版業界とのコネクションがあり、進路もサポートしてくれる
- ともに学ぶ仲間と切磋琢磨できる
圧倒的最高の学習環境が用意されています。
また仲間の存在が本当に大きい。
ただ学校なので妥当ではあるのですが、授業料がきついです。
あと社会人の方は、正社員を続けながら通うのも難しいでしょう。
とにかくマンガを描いて、ブラッシュアップを重ねる
マンガの基礎を学んだから漫画家になれるわけではありません。
やっとマンガを描けるスタート地点に立っただけ。
魅力的なマンガを描かなければ、漫画家にはなれません。
とにかくマンガを描きます。
ああでもないこうでもないと悩みながらマンガを描いて、人に感想をもらって、また描いてを繰り返します。
漫画家アシスタントになろう!
漫画家のアシスタントになれたら最高です。
プロの漫画家のもと、多くの恩恵を受けることができます。
- 商品として実際に出版されるマンガに携わることができる
- 漫画家の作業現場や作業環境を知ることができる
- 先生の技術を学ぶことができる
- しかもお金までもらえちゃう
漫画家になる上で、メリットしかないです。
アシスタントになるには、つてやコネの他、いくつかの方法があります。
- 一般的な求人サイト
- アシスタント専門の求人サイト
- 編集部ホームページ
- SNS
僕は「GANMO(がんも)」という、漫画家とアシスタントのマッチングサイトを使って、アシスタントになりました。
あまり更新はしていませんが、現在は僕が募集する側として利用させてもらっています。
1つ注意点として、アシスタントはあなたが学習するための場所ではありません。
つまり、先生があなたを採用するメリットが必要です。
また求人の中にはフルリモート可能なものもあるので、地方住まいでもアシスタントになることはできます。
それでも漫画家になれるのは一握りだけど…
実際のところ、どれだけがんばっても漫画家になれるのはほんの一握りです。
※ 近年WEBコミックも増えてきているので、もしかしたら僕が思うほど狭い門ではなくなっているかもしれません
漫画家になれないからといって、人生全てを棒に振るわけではないのでご安心ください。
マンガは、雑誌連載やWEB連載が全てではありません。
それ以外でもマンガに携わりながら生活していくことは可能です。
生活を維持しながら、漫画家を目指していくことも可能です。
これから漫画家を目指そうとしている今、必要な情報ではないので、軽く紹介だけしていきます。
目指すのは漫画家のみです。
広告漫画家になる
広義にはこちらも漫画家ですが、マンガの広告、見覚えないでしょうか?
ネットサーフィンをしているときやYouTubeを見ているときなど「オレの名前は亀山大河…」と謎の自己紹介から始まる謎のサクセスストーリーです。
スキンケア商品や脱毛、ダイエットなど美容系が特に多いですよね。
このように、マンガをマーケティングツールとして利用している企業が増えてきています。
アシスタントとして続ける
アシスタントとして生活していくことも十分可能です。
フルリモートで働くことが可能な場合もあるので、自分の好きな時間に自由に働くことができます。
同人誌を作って販売する
最近は自分でショップサイトを作るのがとても簡単になりました。
「ネットでお店を開くならBASE」とCMもやっていましたね。
これ1本で生活は難しいかもしれませんが、同人誌やグッズ販売のハードルは昔よりかなり下がっています。
イラストレーターになる
絵に圧倒的自身がある場合はイラストレーターへの転職も可能です。
転職というか、兼職もできます。
塗りの技術など、漫画家とは少し違う技術を必要としますが、学習コストは低いです。
剣士からアーチャーではなく、騎士に転職するくらいのものです。
クラウドソーシングを利用する
クラウドソーシングを使って仕事を獲得することもできます。
アシスタントから広告マンガ、イラスト制作まで仕事の種類は多岐にわたります。
ただ継続的な仕事より、単発の仕事が圧倒的に多いです。
あと単価も圧倒的に低いです。
有名なところとしては「クラウドワークス」や「ランサーズ」があります。
最近はお客様に直接販売できる「ココナラ」もとても人気ですね!
ココナラであれば単価もあなた自身で決めることができます。
まとめ
漫画家になるためには魅力的なマンガが描けることが必須。
その上で、3つのルートから漫画家を目指すことができます。
- マンガ賞に応募する
- 出版社に持ち込む
- SNSなどWEBで発信する
ただ漫画家になるのは決して簡単ではなく、狭き門です。
マンガに関わりながら生活していくことは十分に可能です。
たった一度の人生、せっかくなので夢を追いかけませんか?