これから漫画家を目指すにあたって気になるのが漫画家の年収。
大成功すれば大金持ちになれるイメージはあると思いますが、もちろん漫画家全員がそういった暮らしをしているわけではありません。
現役の漫画家が漫画家のリアルな収入事情をお話します。
漫画家の年収について
漫画家の平均年収は?
漫画家の平均年収をネット調べてみると、出典もなく400万円やら500万円やらと書かれていて「怪しい情報が出回っているなー」と感じます。
でもそれはある意味仕方のないことでもあって、僕自身漫画家の平均年収なんて想像も付きません。
それは一体なぜでしょうか?
あまりにもピンキリすぎる
想像通りだったかもしれませんが、漫画家の年収はあまりにもピンキリすぎるからです。
もし漫画家の平均年収の正確な情報があったとしても「漫画家目指せばだいたい年収これくらいかなあ…」と考えるのは大きな間違い。
漫画家には爆発的にヒットして豪邸に住む人もいれば、それだけでは生活できずアルバイトをしている人もいます。
そんなバラツキの多い数字から平均をとったところで、多くの漫画家はその水準で生活をしていないのです。
それに加え漫画家は、年収相応の生活をしていません。
漫画家は年収相応の暮らしができない
例えば年収1000万円の漫画家がいたとします。
年収1000万円のイメージは人によりそれぞれだとは思いますが、おそらく思っているほど贅沢な暮らしはしていません。
納税は当然のことですが、他業種にはない漫画家特有の大きな出費があるからです。
アシスタントへのお給料は漫画家のポケットマネーから出る
漫画家は自分の判断でアシスタントを雇い、自分の財布からアシスタントへお給料を支払います。
例えば日当1万円で月15日出勤のアシスタントを2人雇ったとすると、年収1000万円から360万円がアシスタントへのお給料として消えることになります。
「アシスタント雇わなければ全部自分のものでしょ!?最強!」
と思う方もいるかもしれませんが、お金を使う暇もなく過労死します。
収入の内訳と仕組み
漫画家は、基本給と残業代に交通費と…といった、一般的な会社員の内訳とはかなり異なります。
漫画家の収入はどのようにして決められるのでしょうか?
漫画家の収入内訳
- 原稿料
- 印税
流れとしては、原稿料が毎月安定的に入って、単行本発売後に印税がドカっと入るような感じになります。
原稿料
原稿を1ページを描くごとに単価が発生します。
これから漫画家を目指していくのであれば、最初の原稿料は3000円〜8000円程度と思っておいていいです。
原稿料は出版社やキャリアにより大きく異なり、おおよそ1ページ10000円〜30000円が相場かなーといった感じですが、もちろんこの範囲以下の人もいればそれ以上の人もいて、正直この段階からすでにピンキリとなっています。
「毎月いくらになるんだろう?」
と気になるところですが、同じ原稿料でも月刊誌か週刊誌かで月に制作するページ数が違うので、収入も大きく変わってきます。
月に描くページ数 × 原稿料 = 月の原稿料
- 月刊で1話30ページの作品を連載していて原稿料が1ページ15000円の場合
月1話 × 30ページ × 15000円 = 月45万円(年540万円) - 週刊で1話20ページの作品を連載していて原稿料が1ページ20000円の場合
月4話 × 20ページ × 20000円 = 月160万円(年1920万円)
ちなみに原稿料が1万円を大幅に下回っている人が当たり前のようにいる一方、少年ジャンプで初連載の原稿料は18,700円以上(2024年1月時点)となっていました。
※ 週刊少年ジャンプ公式サイトで金額の記載があったこのページは現在削除されています
印税
単行本が発売されると、発行部数に応じて印税が入ります。
※ 印税:著作権に対する使用料のこと
印税の割合も出版社やキャリアによって異なり、おおよそ販売価格の8〜12%が印税として入ってきます。
よくマンガで「累計発行部数◯◯万部突破!」とありますが、発行部数がわかればそのマンガでどれくらい稼いでいるかを概算することができます。
発行部数(売上部数) × 単行本価格 × 印税率 =総印税額
- 累計発行部数が50万部突破した600円のマンガで税率10%の場合
50万部 × 600円 × 10% = 3000万円
ロイヤリティ
絶対に入るものではないので収入内訳には書きませんでしたが、アニメ化やゲーム化、グッズ化することによりロイヤリティも入ります。
※ ロイヤリティ:特許権や商標権、著作権など知的財産に対する使用料(印税含む)のこと
アニメ化すると1話ごとに数10万円、映画化すると数100万円、ゲーム化すると売上の数%が相場だそうです。
漫画家は狭き門ではあるが、狭すぎるわけでもない
以上、現役漫画家が教える漫画家の収入事情でした。
というのも昔と比べるとWEBで連載するコミックや、企業がマーケティングツールとして用いる広告マンガなど、確実に漫画家の居場所は増えてきているからです。
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