「アナグリフ…?色収差…?RGBずらし…?」
聞き慣れない言葉ですが、これ!これがアナグリフです!
3D赤青メガネをかけると浮き出てきて立体に見えるイラストや写真のことをアナグリフと言います。
ただあくまでイラストの演出方法としてこれっぽくするだけで、本当に3Dにする必要はないので、イラストに取り入れるならアナグリフ風ですね。
そしてアナグリフ風のイラストを「色収差」や「RGBずらし」とお絵かき界隈では言います。
今回はクリスタでイラストに色収差を適用する方法を紹介します。
クリスタ(クリップスタジオペイント)とは、プロも愛用する人気No.1のイラスト・マンガ制作ソフトです。
→ イラストソフトはクリスタが一択な5つの理由
→【CPIP STUDIO PAINT 公式サイト】
記事の後半では、色収差の別色パターンなども紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
さっそく色収差をやってみよう!
それではさっそくやっていきたいのですが、少しだけプロセスが長いです!
色収差の方法
- イラストを1枚のレイヤーにまとめる
- イラストを複製して2枚にし、上を[スクリーン]にする
- 2枚のイラストの上に[乗算]のレイヤーを1枚ずつ作成する
- 新しく作ったレイヤーを赤とシアンでベタ塗りする
- 新しく作ったレイヤーをクリッピングする
- 何も変わっていないように見えるがイラストをずらすと…
パッと見少しめんどくさそうですが、1ステップずつしっかり読み進めていくと、難しくもなくシンプルです。
オートアクションに登録しておくこともできるので、諦めず最後までやって行きましょう!
Step1 イラストを1枚のレイヤーにまとめる
すでに1枚のレイヤーの場合はそのままでOK
複数のレイヤーに分かれたイラストの場合は1枚のレイヤーにまとめます。
レイヤーを1枚にまとめる方法
- [レイヤー]パレットで表示中のレイヤーを適当に右クリック
- [表示レイヤーのコピーを結合]をクリック
※ 色収差をかけたくないレイヤーは非表示にしておく
ついでに元のイラストは使わないので非表示にしておきましょう。
Step2 イラストを複製して2枚にし、上を[スクリーン]にする
さきほど1枚のレイヤーにしたイラストを複製します。
レイヤーの複製方法(下記のどちらか一方)
- 複製したいレイヤーを右クリックして[レイヤーを複製]をクリック
- 複製したいレイヤーをalt(opt)キーを押しながらドラッグ&ドロップ
複製ができたら、上にあるイラストの合成モードを [スクリーン] にします。
元のイラストより少し明るくなりましたがこれでOK
Step3 2枚のイラストの上に[乗算]のレイヤーを1枚ずつ作成する
2枚のイラストレイヤーの上にそれぞれ1枚ずつ、計2枚のレイヤーを作成し、その2枚の合成モードを [乗算] にします。
Step4 新しく作ったレイヤーを赤とシアンでベタ塗りする
さきほど作った2枚のレイヤーを、それぞれ
- 赤(R:255 G:0 B:0)
- シアン(R:0 G:255 B:255)
でベタ塗りします
※レイヤーの順番はどちらでもOK
イラストがこのように禍々しくなればOK
僕は赤を上にしましたが、シアンを上にしている場合は水色になります。
Step5 新しく作ったレイヤーをクリッピングする
さきほどベタ塗りにしたレイヤーを、下のイラストレイヤーでクリッピングします。
するとなんということでしょう、元のイラストに戻ってしまいました。
「本当にこれであってるの…?」
と不安になるところですが、これでOKなんです。
Step6 何も変わっていないように見えるがイラストをずらすと…
じつはこれ、もう完成してます。
どちらかのイラストをずらしてみましょう!
※ クリッピングしたベタ塗りレイヤーをずらさないように注意
背景が真っ白だと一部収差に欠損が出るので、気になる場合は4枚のレイヤーをグループ化するか結合することで回避できます。
もっと手を抜いて楽に色収差
もう少し簡単な方法で色収差をすることもできます。
Step2の、イラストを1枚のレイヤーまとめてからそれを複製して上を[スクリーン]にするところまでは同じですが、ここから少し手抜きをします。
手抜き色収差
それぞれのイラストを[高度な塗りつぶし]から合成モードを[乗算]にして赤とシアンで塗りつぶす
[高度な塗りつぶし]は[編集]メニューにあります。
すると細部に微妙な違いは出るのですが、ほぼ同じように色収差をすることができます。
写真にも使っちゃったり…
この色収差、イラストだけではなくもちろん写真に使ってもOK
なんかいい感じにエモくなります。
色収差を応用してさらなる高みへ!
色収差の方法に唯一の正解はなく、いろんな方法で表現することができます。
レイヤーカラーで色を変えて[比較(暗)]で重ねる
イラストそのものの色をレイヤーカラーで変更し、上のイラストを[スクリーン]ではなく[比較(暗)]にすることで、こんな感じになります。
色収差の色を変えてみる
色収差といえば「赤とシアン」ですが、実は他にも色の組み合わせが2パターンあります。
他の配色パターン
- 黄緑(R:0 G:255 B:0)とマゼンタ(R:255 G:0 B:255)
- 青(R:0 G:0 B:255)と黄色(R:255 G:255 B:0)
このイラストだったら黄緑とマゼンタの色収差のほうがかわいいですね!
もっと色々組み合わせてみると…
色収差ではなく、他にもいろんな加工を組み合わせていくことで、同じイラストでもガラっと雰囲気を変えることができます。
「これはこのやり方でないといけない」ではなく「こうしてみたらどうなるんだろう?」をたくさん試して新しい発見に出会い、自分の引き出しを増やしていきましょう!
またオートアクションに登録しておくことで、何度でもクリックだけで色収差を発動することができるのでオススメです!