意気揚々とデジタルの扉をあけたものの、
「何か線がガタガタなんだけど!」
「思い通りになめらかな線が描けない!」
「アナログの方が上手に描けた!」
とお悩みではないでしょうか?
デジタルに移ってすぐは、アナログにはない新しい悩みに直面することになります。
ガタガタな線しか描けない理由は、単刀直入に言うと手ブレです。
紙よりはるかにツルツルしている液タブ(もしくはペンタブ)で、下書きを丁寧になぞろうとすると、どうしても手ブレが発生してしまいます。
回数こなして慣れることで解決する問題ではあるのですが、一朝一夕にはいきません。
クリスタには、ガタガタになってしまう線をフォローする機能が備わっています。
なのでデジタル初心者でもご安心ください!
今回は、なめらかな線を描く方法を大きく3つの側面から紹介していきます。
なめらかな線画にする方法
- 線画をなめらかに描くクリスタの設定方法
- ガタガタになった線画をあとからなめらかにする方法
- 線画をできるだけなめらかに描く物理的方法
それではさっそくなめらかな線画を描いていくために…ますはベクターレイヤーをご存知ですか?
線画は圧倒的にベクターレイヤー
線画を描く場合、慣れないうちはベクターレイヤーが圧倒的にオススメです。
簡単に言うと、クリスタにおいては線画に特化したレイヤーです。
ベクターレイヤーに線を描いても一見同じように見えますが、通常のレイヤー(ラスターレイヤー)とは大きな違いがあります。
ベクターレイヤーの特徴
- どれだけ拡大しても線画が荒れない
- 線画を描いたあとからも、線画を大幅に修正することができる
※ラスターレイヤーよりファイルサイズが大きく、動作が重くなる場合があります
どうしてもなめらかな線画が描けず、ガタガタになったとしても、あとからのケアが尋常じゃないです。
後ほどベクターレイヤーのスペシャル機能を紹介します!
僕はそれがあまり好きではないのでラスターレイヤーを使っています。
線画をなめらかに描くクリスタの設定方法
まずはなめらかな線を描くための、ペン(鉛筆・筆)の設定を見ていきましょう。
ペンの設定なのでもちろんラスターレイヤーにも適用されます。
[手ブレ補正]の数値を上げる
冒頭で、ガタガタの原因は手ブレにあると言いました。
シンプルにこの手ブレを軽減してくれる機能がクリスタにはあります。
[ペンツール]を選択 → [ツールプロパティ] → [手ブレ補正]を設定
[手ブレ補正]は0〜100の値で設定でき、数字が高くなるほど補正が強くなり、なめらかな線になります。
※文字にも補正をかけています
一見100にしておけばいいように思えますが、そうではありません。
今回は直線なので分かりにくいですが、100で描くと不自然な線画になってしまいます。
また描いている最中も描画に遅延が発生し、テンポも悪くなります。
[後補正]をONにする
こちらの機能は、線画を描き終えたあと、瞬時にガタガタを修正してくれる機能です。
[手ブレ補正]同様[ツールプロパティ]から設定を変更できるのですが、デフォルトでは非表示になっているかと思います。
[ペンツール]を選択 → [ツールプロパティ]右下の設定アイコンクリック → [後補正]にチェック
また[後補正]のもう一つ左にあるエリアをクリックすることで、常時ツールプロパティに表示されるようになります。
[後補正]も[手ブレ補正]と同様に、数字が高くなるほど補正が強くなり、なめらかな線になります。
※文字にも補正をかけています
こちらも[手ブレ補正]同様100はNG
一番下の直線は手ブレがまったくなくめちゃくちゃキレイな直線になっていますが「後補正100」と書いた「00」が潰れてしまっています。
ガタガタに描いてしまった線画をなめらかにする(ベクターレイヤー)
ここからベクターレイヤーが本領発揮。
ベクターレイヤーには、線画を修正する力があります。
ベクターレイヤーの能力
- 線と線をつなぎ合わせる
- 線を単純化させる
- 線を自由自在に動かす(今回は割愛します)
それでは、それぞれを見ていきましょう
なめらかな線を1発で描く必要はない
長い線を描く場合、無理して1発で描く必要はありません。
何回かに分けて描いて、あとから線をつなぎ合わせることができます。
[線修正]ツール → [ベクター線つなぎ]
※[線修正]ツールのアイコンは異なる場合があります
つなぎたい部分をなぞることで、線が繋がります。
よりシンプルな線にする
ベクターレイヤーで描いた線は、線をシンプルにする機能があります。
シンプルにすることで、手ブレのガタガタを消し去ることができます。
[ベクター線つなぎ]と同様[線修正]ツールの場所にあります。
[線修正]ツール → [ベクター線単純化]
※[線修正]ツールのアイコンは異なる場合があります
単純化したい部分をなぞることで、シンプルな線になります。
線画をできるだけなめらかに描く物理的方法
ここからは、クリスタとは直接関係はありませんが、デジタルで描く際の手ブレを減らすテクニックや物理的方法を紹介していきます。
下書きをキレイになぞらず「シュッ」と描く
下書きをキレイになぞろうとすると、どうしても手が動く速度がゆっくりになり、手ブレが大きく発生してしまいます。
ポイントは「シュッ」と、はらうように描くのがポイント。
デジタルのイラストメイキング映像を見ていると、
気に入った線が描けるまで「シュッ」からの「Ctrl(Cmd) + Z」を何度もループしている光景に見覚えはないでしょうか?
それです。
苦手な方向を避ける
何度もイラストを描いていくと、描くのが得意な方向と苦手な方向がわかってきます。
[ナビゲーション]パレットからキャンバスを回転・反転させることで、苦手な方向を避け、得意な方向から描くことができます。
液タブ・ペンタブ用の手袋をつける
タブレットに手くっつけて描く方は、手袋をつけることで手の滑りがよくなります。
ペンダブ専用の手袋もありますが、軍手でも十分だと思います。
液タブ・ペンタブのサイズを大きくする
これはかなり費用がかかってしまいますが、あまりにも小さすぎるタブレットだと、少し描きにくくなります。
現在使っているタブレットのサイズや予算と相談して、検討してみてもいいかもしれませんね。
まとめ
今回は、なめらかな線を描く方法を大きく3つの側面から紹介しました。
- 線画をなめらかに描くクリスタの設定方法
- ガタガタになった線画をあとからなめらかにする方法
- 線画をできるだけなめらかに描く物理的方法
この方法でガタガタの線画もかなり改善されます。
最初のうちはクリスタの機能をバンバン多用していいと思います。
が、どうしても自分の手でシュっとなめらかな線を描くのが一番早く、自然でキレイです。
少しずつ練習をして腕を磨き、補正のレベルを下げていきましょう!
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