CLIP STUDIO PAINTでは、マンガには欠かせないトーンを貼る機能があります。
クリスタのトーン機能はアナログと比べとにかく最強で、この機能だけでもクリスタを買う価値があると言っても過言ではないレベルです。
クリスタでトーンを貼る方法はいくつもあります。
トーンを貼る方法いろいろ
- [選択範囲ランチャー]からトーン用レイヤーを作成する
- [新規レイヤー]からトーン用レイヤーを作成する
- [レイヤープロパティ]からトーンの効果をONにする
- 素材[単色パターン]からトーンをドラッグ&ドロップする
今回はこの中でも、漫画家の僕が実際にやっている[選択範囲ランチャー]からトーン用レイヤーを作成する方法を使って、トーンの貼り方を紹介します。
トーンの使い方はとても奥が深く、使い方によってさまざまな表現や演出をすることができます。
トーンを使ったこれらの表現方法については、今後別記事にて執筆予定です。
今回は、初心者向けの基本的なトーンの貼り方を紹介します。
トーンの基本的な貼り方
それでは一緒にトーンを貼っていきましょう!
今回は、この円と正方形にトーンを貼っていきます。
トーンの貼り方はたったの3手順!
とっても簡単です。
トーン貼りの手順
- トーンを貼る範囲を選択する
※あとから範囲は変更できるので適当でもOK - [選択範囲ランチャー]の[新規トーン]をクリック
- [簡易トーン設定]でトーンを設定し[OK]をクリック
それでは、細かく見ていきましょう。
トーンを貼る範囲を選択する
トーンを貼る部分を、選択範囲します。
正方形はあとで別のことに使いたいので、今回僕は円だけを選択しました。
次のステップでこの範囲はレイヤーマスクに反映されるので、あとからトーンの範囲は自由に変更することができます。
[選択範囲ランチャー]の[新規トーン]をクリック
[選択範囲ランチャー]にある[新規トーン]をクリックします。
※[選択範囲ランチャー]表示されない場合[表示]メニューにある[選択範囲ランチャー]にチェックを入れてください
すると[簡易トーン設定]画面が開きます。
[簡易トーン設定]でトーンを設定し[OK]をクリック
[簡易トーン設定]の下にあるチェックボックスからチェックを外しておきましょう。
「同じ設定のトーンがあるときはこの一つにまとめる」のチェッがクを入れたままだと、同じ設定のトーンを重ねることができなくなってしまいます。
[OK]を押すことでトーン貼り完了です!
選択範囲以外がマスクされたトーンのレイヤーが生成されています。
トーンの設定方法とオススメの設定
トーンを作成する前にトーンの設定ができましたが、トーン作成後にもトーンの設定を変更することができます。
変更は、トーンレイヤーを選択した状態で[レイヤープロパティ]からトーンの設定を変更することができます。
※[レイヤープロパティ]が見つからない場合[ウィンドウ]メニューから[レイヤープロパティ]にチェックを入れてください
この中で最も重要な
- トーン線数
- 濃度
- 網の種類
- 網の角度
この4つについて説明します。
トーン線数
線数は、数が小さくなるほどトーンが荒くなり、大きくなるほどトーンがきめ細やかになります。
線数は60がスタンダードで、大体どのマンガも50〜70の範囲におさまっています。
また同一作品内では、特別な理由がない限り線数は変えません。
線数や角度が違うトーンが重なると、重なった部分にモアレが発生する原因となります。
※モアレとは印刷時に、意図せずトーン内に発生してしまう模様のこと
トーンの濃さは次の「濃度」で調整します。
トーンの線数を変えても全く変わらない場合
線数を60から70に変えたものの、見た目が全く変わらない場合があります。
それは恐らく解像度が600dpi以下になっているためです。
濃度
濃度は単位が%で、値が低くなるほど密度が小さく(トーンが薄く)、高くなるほど密度が大きく(トーンが濃く)なります。
10%を基準に、5%(もしくは10%)きざみで使い分けます。
おおおそどのマンガも5%〜30%の範囲内でトーンを使い分けています。
種類
トーンの種類は、トーンのドットの形で、基本的に円一択です。
恐怖感の演出にノイズを使ったりなど、特殊な状況がない限りは円を使います。
角度
特別な理由がない限り、基本的には45度一択です。
トーンを重ねる方法
残しておいた正方形をここで使います。
円のときと同じように、正方形にもトーンを貼り、線を非表示にしてみましょう。
円と正方形の重なる部分にはトーンが2枚貼られているはずなのに、まるで2つの図形がつながった1枚のトーンのようになっていますね。
これは、それぞれトーンそのものが全く同じ位置に存在しているためです。
トーンの重なりを出す手順
- 重なったトーンのいずれかを選択する
- [レイヤープロパティ]の[網の位置]からXとYの数値を適当に変える
マスクの位置はそのままトーンの位置だけズレ、円と正方形のシルエットがわかるようになりました!
トーンを足す・削る
トーンはマスクがかかっているので、マスクの範囲を操作することでトーンを自由に足したり削ったりすることができます。
トーンの操作
- トーンを足す
トーンのレイヤーマスクを選択し、ペンやブラシなどを使う - トーンを削る
トーンのレイヤーマスクを選択し、消しゴムや透明のブラシなどを使う
透明のデコレーションブラシを使うことで、トーン削り用のブラシを使って削っていくことができます。
まとめ
クリスタのトーン機能はアナログと比べとにかく最強で、この機能だけでもクリスタを買う価値があると言っても過言ではないレベルです。
クリスタでトーンを貼る方法はいろいろあるのですが、今回は漫画家の僕が実際にやっている[選択範囲ランチャー]からトーン用レイヤーを作成する方法を使って、トーンの基本的な貼り方を紹介しました。
トーン貼りの手順
- トーンを貼る範囲を選択する
※あとから範囲は変更できるので適当でもOK - [選択範囲ランチャー]の[新規トーン]をクリック
- [簡易トーン設定]でトーンを設定し[OK]をクリック
トーンの設定は、線数60濃度10%をベースに色々お試しください。
角度は45度固定です。
トーンの使い方はとても奥が深く、使い方によってさまざまな表現や演出をすることができます。