レイヤーマスクとは一言でいうと
「選択した範囲を隠す機能」
です。
ではレイヤーマスクで選択範囲を隠すことで、一体どんなことができるようになるのでしょうか?
レイヤーマスクでできること
- イラスト全体を残したまま、一部を隠すことができる
- マンガのコマのように、イラストを枠内におさめることができる
- 下塗りが圧倒的に楽になる
マスクには、レイヤーマスクの他にも、クリッピングというマスク機能もあります。
本記事ではレイヤーマスクの使い方はもちろん、クリッピングとの違いやその使い分けについても紹介します。
マスクはアナログではできない、デジタルならではの最強の機能。
でもクリスタだけではなく、他のペイントソフトや、Photoshopといった画像編集アプリにもある機能です。
レイヤーマスク基本的な使い方手順
それでは、さっそくレイヤーマスクを使ってみましょう!
レイヤーマスクとは、選択した範囲を隠す機能です。
今回は、このイラストを枠内におさめていきます。
レイヤーマスクの手順
- マスクの範囲を選択
- マスクをかけるレイヤーを右クリック
- [レイヤーマスク]を選択し、[選択範囲をマスク] or [選択範囲外をマスク]をクリック
それでは、手順に沿ってやってみましょう!
マスクの範囲を選択
隠したい範囲か、隠したくない範囲、どちらでもいいので範囲をとりやすい方を選択範囲します。
後ほど選択範囲をマスクするか、選択範囲外をマスクするか選択できます。
僕はマスクをかけたいエリア(長方形の外側)を[編集レイヤーのみ参照選択]で自動選択をしました。
※色は選択範囲が見やすいように塗りつぶをしているだけです
マスクをかけるレイヤーを右クリック
マスクをかけたい(隠したい)レイヤーを右クリックします。
マスクをかけるために選択範囲をとったレイヤーとは違うレイヤーになるので、レイヤーの選択を間違えないように注意しましょう!
マスクをかける
右クリックすると出てくる[レイヤーマスク]を選択し、[選択範囲をマスク] or [選択範囲外をマスク]をクリックします。
- 隠したい範囲を選択している場合
[レイヤーマスク] → [選択範囲をマスク] - 隠したくない範囲を選択している場合
[レイヤーマスク] → [選択範囲外をマスク]
これで隠したい部分を隠すことができました!
レイヤーの中にある白黒サムネイルの黒い部分が、マスクがかかっているエリアになります。
これが基本的なレイヤーマスクの使い方です。
それではこれを使ってさらにレイヤーマスクを深堀りしていきましょう。
マスクをかけたレイヤー(イラスト)を編集したい場合、マスクを選択していないか確認しましょう。
マスクをかけると、レイヤーを選択したつもりでも、レイヤーのマスクが選択されている場合があります。
マスクを選択していると、レイヤーを編集できず、マスクが編集されるので注意してください。
レイヤーマスクは消しているのではなく隠しているだけ
レイヤーマスクは、あくまで隠しているだけというのが良いところ!
消しゴムで消しているわけではないので、あとから元に戻すことや、マスクの範囲を修正することができます。
マスクを無効にする
マスクのサムネイルを右クリックし[マスクを有効化]のチェックを外すことで、マスクの情報を保持したままマスクを外すことができます。
またチェックを入れることで、マスクが復活します。
マスクを削除する
マスクのサムネイルを右クリックし[マスクを削除]をクリックすることで、マスクをまるごと削除することができます。
削除するとそのマスクは二度と復活しないのでご注意ください。
マスクの範囲を修正する
マスクの範囲は、後から修正することができます。
編集したいレイヤーの、マスクを選択することでマスクを編集することができます。
ただこのままでは、どのにマスクがかかっているか判別が困難です。
マスクのサムネイルを右クリックし[マスク範囲を表示]をクリックすることで、マスクの範囲が可視化されます。
青い範囲がマスクがかかっている範囲になります。
マスクの修正方法
- 消しゴムツール
マスクの範囲(隠す範囲)を増やす - ペン・ブラシツール
マスクの範囲(隠したい範囲)を削る
今回はブラシツールで頭のマスクを削り、頭がすべて表示されるようになりました。
修正を終えたら再度[マスク範囲を表示]をクリックしチェックを外すことで、マスクの可視化を解除することができます。
先程マスクの範囲をとったレイヤーにも、一部選択範囲をしてマスクをかけることで、コマから飛び出しているようになります!
レイヤーマスクを別のレイヤーに複製する
あとから別のレイヤーにも同じ範囲でマスクをかけたい場合、また1から選択範囲をしなおすのはちょっとめんどくさいですよね。
そういった場合、レイヤーマスクを別のレイヤーに複製することができます。
alt(option)キーを押しながら、マスクを任意のレイヤーまでドラッグすることで、別のレイヤーに同じマスクが複製されます。
レイヤーマスクで塗りのはみ出しを防ぐ
ここまで「すでにあるイラストの一部を隠す」という使い方をしてきました。
逆に、レイヤーマスクでイラストの範囲外を隠してから塗ることで、はみ出しを防ぐという使い方もできます。
塗りのはみ出しを防ぐマスクの使い方
- 塗りたいイラスト(線画)の外側を自動選択
- イラストの下に新規レイヤーを作成
- 新規レイヤーで[選択範囲をマスク]をクリック
それではサクッとやっていきましょう!
塗りたいイラスト(線画)の外側を自動選択
塗りがはみ出してほしくないので、イラストの外側を自動選択で一気に選択します。
細かいところまでキレイに選択されていない場合も、あとからマスクを修正すればいいだけなので適当でOK
イラストの下に新規レイヤーを作成
塗りなのでレイヤーが線画の背面にいくよう、イラストレイヤーの下にレイヤーを新規作成します。
新規レイヤーで[選択範囲をマスク]をクリック
新規レイヤーにマスクをかけることで、どれだけイラストの外側にブラシがはみ出しても、レイヤー上でははみ出さないようになります!
クリッピングとの違いと使い分け
レイヤーマスクは、選択した範囲を隠すのが主な使い方でした。
レイヤーマスクでできること
- イラスト全体を残したまま、一部を隠すことができる
- マンガのコマのように、イラストを枠内におさめることができる
- 下塗りが圧倒的に楽になる
対してクリッピングは、はみ出しを防ぐことに特化しています。
クリッピングでできること
- 下塗りを終えたレイヤーの上に、はみ出さずに重ね塗りをすることができる
- 下塗りを終えたレイヤーの上に、はみ出さずに模様を入れることができる
- ベクターレイヤーのペン入れ(線画)の色を変えることができる
先程レイヤーマスクで塗り重ねたイラストですが、ここからさらに新規レイヤーで重ね塗りをしていきたい場合、マスクを複製することで同じようにはみ出さずに上に重ね塗りをしていくことはできます。
が、クリッピングの方が楽で、同じ結果になります。
クリッピングは、選択範囲ができず、下にあるレイヤーの透明部分を参照してマスクが自動でかかります。
選択範囲ができない分、クリッピングのほうが汎用性は落ちますが、選択範囲をする手間が省けます。
レイヤーマスクとクリッピングはつまり、
「クリッピングでできたらクリッピング、クリッピングでできなかったらレイヤーマスク」
とすることで、効率よく楽にマスクを使い分けることができます。
まとめ
レイヤーマスクとは一言でいうと「選択した範囲を隠す機能」です。
レイヤーマスクでできること
- イラスト全体を残したまま、一部を隠すことができる
- マンガのコマのように、イラストを枠内におさめることができる
- 下塗りが圧倒的に楽になる
マスクには「覆い隠す」という意味がありました。
つまり、マスクをかけた範囲が非表示になります。
レイヤーマスクの手順
- マスクの範囲を選択
- マスクをかけるレイヤーを右クリック
- [レイヤーマスク]を選択し、[選択範囲をマスク] or [選択範囲外をマスク]をクリック
マスクが作成されると、レイヤーの選択に加え、マスクを選択することができるようになるのでレイヤーを修正する際はご注意ください。
またレイヤーマスクに似た機能で、クリッピングというものがあります。
使い分け方法としては、クリッピングで対処できない場合、レイヤーマスクを使うという流れになります。
マスクと言う機能はアナログでは存在しない概念のため、クリスタ初心者には目新しい機能でした。
しかしマスクはクリスタだけではなく、他のペイントソフトや、Photoshopといった画像編集アプリにもある機能です。
マスクを存分に活用し、イラストメイキングでかかる無駄な時間をじゃんじゃん省いていきましょう!