いきなりですが、まずはビフォーアフターから!
こちらのイラストをレトロ風に加工したパターンを4つ用意しました。
この4枚のイラストは、全て同じ方法で加工し、調整時の数値を変えただけです。
今回の記事では、クリスタで自分のイラストをレトロ風に加工する方法を紹介します。
クリスタ(クリップスタジオペイント)とは、プロも愛用する人気No.1のイラスト・マンガ制作ソフトです。
→ イラストソフトはクリスタが一択な5つの理由
→【CPIP STUDIO PAINT 公式サイト】
この加工はイラストだけでなく写真にも使えるのでぜひマスターしちゃいましょう!
それでは何かイラストを準備していただき、レトロ風に加工していきましょう。
レトロ風加工の流れ
レトロ風の加工は以下の通りです
レトロ風加工の手順
- イラストを1枚のレイヤーにまとめる
- 色あせさせる
- のっぺりさせる
- 黄ばみを加える
- ノイズをかける
- 最終調整
本記事ではこの手順で進めていきますが、①以外の順番は違ってもOK
また慣れたら不要だと思った加工を削ったり、別の加工を増したりするのもOKです!
① イラストを1枚のレイヤーにまとめる
これからイラストを加工していくにあたって、イラストを1枚のレイヤーにしておく必要があります。
レイヤーを1枚にまとめる方法
- [レイヤー]パレットで表示中のレイヤーを適当に右クリック
- [表示レイヤーのコピーを結合]をクリック
※ 元のイラストレイヤーはそのまま残るのでご安心ください
この新しく生成されたイラストに加工をあてていきます。
② 色あせさせる
日に焼けて少し色あせた感じを出したいので、まずは彩度を落として色あせさせます。
彩度を落とす方法
[編集]メニューから[色調補正]を選択し[色相・彩度・明度]をクリックする
すると色相・彩度・明度を調整する画面がでてくるので、彩度を落としていきます。
ここの数値は完全に好みでOK
どんな数値にしても変な感じにはなりにくいと思うので、いろんな数値で試してみてください!
③ のっぺりさせる
イラストの暗い部分はほんの少し明るく、明るい部分はほんの少し暗くし、イラストのメリハリを弱くします。
イラストのメリハリを抑える方法
[編集]メニューから[色調補正]を選択し[トーンカーブ]をクリックする
トーンカーブの編集画面がでてきますが、グラフの線をかなり弱めの逆S字にします。
※ セレクトボックスは触らずにRGBのままにしておきます
激弱逆S字にすることで、明るい部分は少し暗く、暗い部分は少し明るくなります。
インクが少しこすれ落ち、紙は薄汚れたような、徐々にレトロ感がでてきたのではないでしょうか?
④ 色味を調整して、黄ばみを加える
ここから如実にレトロ感が強くなります!
イラストに日焼けしたような黄ばみを入れていきます。
黄ばみを入れる方法は2通りあるので、どちらかお好きな方法をお選びください
※ 両方使ってもOK
イラストに黄ばみを入れる方法2種類
- 茶色のベタ塗りレイヤーをオーバーレイで重ねる
比較的楽で、かつ違和感が出にくくミスをする心配がない方法 - トーンカーブかカラーバランスで調整する
手間で失敗する可能性はあるが、こだわることができる方法
それでは順に見ていきましょう。
茶色のベタ塗りレイヤーをオーバーレイで重ねる
タイトルの通りで、茶色でベタ塗りをしたレイヤーをオーバーレイで合成し、不透明度を調整します。
例)R:163 G:94 B:25の茶色を不透明度30でオーバーレイ
トーンカーブかカラーバランスで調整する
トーンカーブかカラーバランスを使って色を調整する方法で、より細かく色味を調整することができます。
細かく色味を調整する方法
[編集]メニューから[色調補正]を選択し[トーンカーブ]か[カラーバランス]をクリックします
今回ボクはトーンカーブを使って色味を調整してみました。
セレクトボックスを[RGB]から変更し、赤緑青を個別に調整していきます。
手間はかかるし下手をすると色のバランスが崩れてしまう可能性もありますが、色味にこだわることができます。
これだけでも結構いい感じですが、ここからさらにワンプッシュ!
⑤ ノイズをかける
ここが最難関で、イラストに2種類のノイズを入れます。
ノイズ加工の方法は別記事で詳しく紹介しているので、ここではサラっといきます。
新規レイヤーを作成して[フィルター]メニューにある[描画]から[パーリンノイズ]をクリックします。
※ カラーモードがモノクロだとできません
ノイズ作成時に操作する項目は[スケール]だけで、ノイズを作成したら合成モードと不透明度を操作しイラストになじませていきます。
1つ目のノイズ
- スケール:5
- 合成モード:オーバーレイ
- 不透明度:20
2つ目のノイズ
- スケール:50(デフォルト)
- 合成モード:オーバーレイ
- 不透明度:5
2つのノイズを重ねるとこんな感じになりました!
キャンバスのサイズによって同じ設定でもノイズ具合は変わってしまうので、数値は自由にいじってOK
というか重ねるノイズの枚数を1枚にしてもOKで、自分にとっての「これだ!」が見つかればどんな設定でもいいんです。
もうこんなのほぼ完成ですよね。
最後にちゃちゃっと微調整をします。
⑥ 最終調整
おそらく全体的に若干暗い感じになっていると思うので、最後に少しだけ明るくします。
白でベタ塗りしたレイヤーをオーバーレイで合成し、不透明度で調整します。
あとは気になる部分をとことん調整して潰していく作業をしたら、レトロ風イラスト加工が完成!
方法は全く同じで、彩度や色味の調整を少し変えるだけでガラっと雰囲気も変わるので、いろんな調整で試してみてください!
ここまで完成したということで、おまけでもう少し違うパターンも紹介しますね。
レトロにもいろいろあるんです
「レトロ加工」とGoogle画像検索してみるとわかるのですが、レトロにもいろんなパターンがあります。
今回紹介した方法で全てのパターンをカバーすることはできませんが、応用することで幅広いパターンに対応させることができます。
彩度-100にして単色レトロ
1色のインクだけで描いたようなレトロ風のイラストです。
手順は全く同じで、彩度を-100にします。
色収差も入れてレトロな映像風に
色収差が入ることでデジタル感が生まれ、昔の映像の1シーンのようになります。
イラストに色収差、ノイズに色収差と、それぞれに色収差を使い、いい感じに重ねます。
お気に入りの加工はオートアクションに登録しておこう!
このような加工は、結局のところ大事なのは手順ではなく結果です。
そしていろんな方法を試して、自分だけのお気に入り加工を見つけてください。
「あれ…ここの項目どんな数値に設定してたっけ…」
なんてことにならないよう、推しの加工が見つかったらオートアクションに登録しておきましょう!
クリック1つでイラストに推しのレトロ加工がほどこされます!