クリスタでイラストを描くとき、ぶっちゃけラスターレイヤーだけでもなんとかなるんですが、ベクターレイヤーも使いこなすことで、クオリティや作業時間に雲泥の差が生まれます。
はっきり言ってベクターレイヤーの使い方知らないとあまりにも損すぎるので、今回はベクターレイヤーにできることと、その使い方について紹介していきます!
後半ではベクターレイヤーのときにしか使えないめちゃくちゃ便利な消しゴムの使い方も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!
ベクターレイヤーを軽くおさらい
ベクターレイヤーとは一体どんなものだったか、サラッとおさらいしておきましょう。
ベクターレイヤーの特徴
- 点(制御点)とそれを繋ぐ線(パス)から構成されている
- どれだけ拡大・縮小しても荒れない
- 描画後に線を自由に修正することができる
- ファイルサイズは比較的大きくなる
ラスターレイヤーとの詳しい違いは以下のリンクで紹介しています。
冒頭でベクターは便利だとか知らないと損だとか言ってきましたが、では実際どんなときに真価を発揮するのでしょうか?
ベクターレイヤーはいつ使うの?
クリスタにおいてベクターレイヤーは、線画を描くことにひたすら特化しています。
じゃあ何かというと、描いたあとの線を修正する能力に長けているのです。
ベクターレイヤーにできること
線を描いてから…
- ブラシサイズ・カラー・形状の変更
- 線の形の修正
- 線幅の修正
- 消しゴムの[ベクター消去]機能の使用など
これら4つの機能はどれもラスターレイヤーでは使うことができず、4つすべて最強の機能です。
それではこれから、ベクターレイヤーを実際にさわって使い方を覚えていきましょう!
ベクターレイヤーの作成方法
まずはベクターレイヤーの作成ですが、ワンクリックで終わります。
ベクターレイヤー作成方法
[レイヤー]パレット[新規ラスターレイヤー]アイコンの右にあるアイコンをクリック
一応他にも[レイヤー]メニューから作成することもできますが、若干工程が多いので使うことはないと思います。
ベクターレイヤーの見分け方
色々レイヤーが重なってくると「どれがベクターレイヤーだ?」と一瞬混乱するかもしれません。
ベクターレイヤーと他のレイヤーとの見分け方はとてもかんたんで、ベクターレイヤーにはベクターレイヤ―専用のアイコンがついています。
それでは、本格的にベクターレイヤーの使い方に移りましょう!
ベクターレイヤーにできることとその使い方
ベクターレイヤーも、描く方法はラスターレイヤーと全く同じです。
ブラシサイズ・カラー・形状の変更
ベクターレイヤーでは、描写してからブラシのサイズやカラー、形状を変更することができます。
ブラシサイズ・カラー・形状の変更方法
- [オブジェクト]ツールを選択する
- 編集したい線をクリックする
- [ツールプロパティ]パレットから編集する
[拡縮時に太さを変更]というチェックボックスについて、ベクターレイヤーは、ブラシの太さのデータもしっかりと記憶しています。
そのため、拡大・縮小するときに、線の太さも同じように拡大・縮小させるか(チェック有)、そのままの太さを維持するか(チェック無)を選択することもできます。
制御点を使って線の形を変更する
ベクターレイヤーは基本的に[線修正]ツールから線を操作していきます。
その中の[制御点]サブツールを使うことで、制御点(白い丸)を増減や移動など、自由自在に操ることができます。
線の一部をつまんで動かす
[線修正]ツール[ベクター線つまみ]サブツールにすることで、直感的に線を動かすことができます。
線をシンプルにする
[線修正]ツール[ベクター線単純化]サブツールにすることで、無駄な制御点を減らし、ガタツキのないシンプルな線にすることができます。
2本の線を繋げて1本の線にする
[線修正]ツール[ベクター線つなぎ]サブツールにすることで、2本の線を1本につなげることができます。
線の太さの修正
[線修正]ツールの[線幅修正]サブツールを使うことで、線の幅を太くしたり細くしたり、修正することができます。
線の一部を描き直す
全体的に悪い線ではない、むしろ良く描けているが…
「この部分だけ少し書き直したい…」
「ここだけ太さを修正したい…」
といったときには、[線修正]ツールの[ベクター線描き直し]サブツール、もしくは[ベクター線幅描き直し]サブツールを使うことで、線の一部だけを上から修正できるようになります。
ただしベクターレイヤー、これだけでは終わりません。
ベクターレイヤーでは消しゴムもすごいんです
線の修正が自由にできるようになるベクターレイヤーですが、実は消しゴムもすごい!
[ツールプロパティ]の[ベクター消去]という項目から、ベクターレイヤーでしかできない消しゴムの使い方ができるんです。
デフォルトの[触れた部分]はラスターレイヤーと同じ仕様の消しゴムなんですが…
交点まで
線の上を適当になぞるだけで、別の線との交点まですべて自動で消してくれます。
※ サブツールが[ベクター用]になっていますがベクター用じゃなくてもできます
これがめちゃくちゃ便利で、ちょっとしたはみ出しも一瞬でキレイに消し去ることができちゃうんです!
線全体
線の上を適当になぞるだけで、なぞった線をまるごと消してくれます。
※ サブツールが[ベクター用]になっていますがベクター用じゃなくてもできます
無駄な迷い線などを消すときに重宝します。
ベクターレイヤーにはできないこともある
以上、ベクターレイヤーの基本的な使い方の紹介でした!
しかしここまでありえない凄みを見せつけてきたベクターレイヤー、決して万能というわけではありません。
ベクターレイヤーではできないこと
- 塗りつぶし
- フィルター機能全般
- 透明ピクセルをロックなど
ラスタライズで解決できる
これらの機能をどうしても使いたい場合は、ラスタライズすることで解決します。
※ ラスタライズ:特殊なレイヤーをラスターレイヤー化すること
ただし一度ラスタライズすると、ベクターレイヤーとしての機能は失うことになるのでご注意ください。
万能ではないですが最強であることには変わりないベクターレイヤー、ぜひマスターして活用しましょう!
それでは、楽しいお絵描きライフを!